双子アイドルは俺様暴走族！

あたしは目を開けないハジメを見て、そう言った。
「あぁ、そうだ」
そして、晴は悪びれもせずにそう答えたのだ。
「カヤ、もう１度言う。そいつとは別れろ」

あたしが怒っていることなんて眼中に入っていないようで、晴はそう言った。
あたすは思わずテーブルをバンッと叩いて、晴を睨みつける。

「人の彼氏こんなにしといて、何言ってるの！？　晴、あんた一体何さまなのよ！！」
怒りで震える声で怒鳴る。
しかし、晴はやっぱり微動だにしない。

冷静な表情で、何を考えているかわからない表情で、あたしを見る。
「……もういい。帰る……」

あたしはそう言い、ハジメを軽々と肩に担ぐとリビングを出た。
あたしは怒った時、ユズちゃん同様予期せぬパワーが出せるものだと、ひそかに感じていた。