双子アイドルは俺様暴走族!
喧嘩をする場面さえ写真や動画に取られなければ、こっちとしては何の問題もない。
「カヤはどこにいる?」
《○○アパートだ》
声はそう答えた。

アパートか……。
壁が薄いアパートの部屋に、大人しいとは言えないカヤが連れ込まれた場合、すぐに近隣が気がつくハズだ。

だけど、気がつかずに通報もされていないということは、カヤは今拘束されている可能性がある……。
《まぁ、じっくり考えるんだな》

そう言うと、電話は切れた。
俺は機械音の響く携帯から耳を離し「バカ女が」と、毒づく。

でも、相手は場所を伝えるだけで時間の指定や、カヤに危害を加えるなどといったことは言わなかった。
あいつも自分の彼女を危険な目にあわせるつもりはないみたいだ。

ほっておいたとしても、カヤは大丈夫かもしれない
それをよく理解したうえで、俺は立ちあがった。
「晴、電話誰だった?」
ガチャッとドアが開き圭が部屋に戻って来た。
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