双子アイドルは俺様暴走族!
「俺、ちょっと行ってくる。次の収録までには戻るから」
そう言い、俺はスマホをズボンの後ろのポケットに入れて立ち上がる。
そして楽屋を出ようとした時、圭がスッと俺の前に立ちはだかって来たのだ。

「何の真似だ」
俺がそう言うと、圭は真剣な表情で「行かせないよ」と、答えた。
「俺がカヤに入れ込むのがそんなに嫌か」

「あぁ、嫌だね。俺はそんな晴を見たくない。俺にとって晴は冷血男のままでいてほしい」
「そんなのただの噂だろ。俺は感情がないワケじゃないし、なんでもするワケじゃない」
圭を逆なでしないように、俺は静かな口調でそう言った。

本当は今すぐにでもこいつを殴り飛ばして、カヤの元へ行きたい。
だけど、その拳をグッと握りしめて感情を殺した。

「だとしても、晴は決して1人の女に執着しない」
「それは……」
俺は言葉を切った。
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