双子アイドルは俺様暴走族!
確かにそうだった。
今までは。
カヤに出会うまでは。
女とは必ず距離を置いていた。

「だけどね晴、俺知っているよ?」
「……なにをだ」
「晴が1人の女に決めない理由」
「……何を言ってるんだ……」

俺は思わず圭から視線を外した。
「本当に好きになってしまったら、アイドルの彼女というだけで相手を傷つけてしまうから、でしょ?」

圭がゆっくりと俺の本心を語った。

「俺には女遊びが激しいと見せかけていたけど、本当は違う。ファンの子を守るために暴走族の頭を買って出たように、好きな女をまもるために本気にならないようにしていたんだ」

圭の言葉が俺の胸に突き刺さる。
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