双子アイドルは俺様暴走族！

☆☆☆

素敵な花火大会の翌日は久しぶりの学校だった。
この夏休み中、色々な事が起き過ぎて制服を着るのがひどく懐かしく感じた。
「丸本ジィジおはよ！！」
「おはようございますカヤ様」

丸本ジィジは丁寧にお辞儀をして出迎えてくれる。
「昨日はありがとう！　花火大会すっごく楽しかったの！！」
「さようでございますか。ですが、お礼は坊ちゃまたちにされた方がいいんじゃないでしょうか？」
丸本ジィジがそう言い、微笑む。
「そうだね……。２人があたしのためにサプライズしてくれたんだもんね……」

昨日の事を思い出すと、キュンッと小さく胸がなった。
あたしはそっと自分の胸に手を当てる。

なにか、暖かな感情が生まれているような気がする。
「さ、学校行こう！！」
あたしはそう言い、車に乗り込んだのだった。

登校初日は担任のチンピラ先生に課題を提出するところから始まった。
【ツインズ】同様にアイドル活動やらモデ活動やらをしている生徒たちの中で、唯一すべての課題をこなしていたのはただ１人、あたしだけだった。

これはこれで褒められるのではないか内心期待していたのだけれど、チンピラ先生は「異世界人のお前が課題をやるのは普通だ」と言って、ちっとも褒めてはくれなかった。

あたしはチンピラ先生の態度に多少のむかつきを感じつつ、課題の山をバンッ！と教卓の上に叩くようにして置いて机へと戻った。
「なにイライラしてるんだよ」