双子アイドルは俺様暴走族！
そう思い、椅子に腰を下ろす。
「ねぇ、カヤちゃん今日はめいっぱい頑張るから、応援よろしくね！」
「あぁうん。バスケだっけ？　本当にできるの？」

だって２人とも全然練習してないじゃん。
あたしはそう思い、疑わしい目つきをしてみる。
するとそれに対して返事をしたのは圭でも晴でもなく、あの美少女だった。

「平野君たちは練習なんて必要ないのよ。知らないの？　イザという時だけバスケに参加して次々と決勝まで導いているのよ」
「へぇ、そうなんだ。全然知らなかった」

それは知らなかった。
何事も努力なしに、報われることはないと思っていた。

今まで自分がそんな人生しか歩んでこなかったから。
あたしが『知らなかった』と言うと、彼女はとっても嬉しそうに笑った。

「それでもあなた付き人なの？　平野君たちのこと、何も知らないのに」
「だって、今まで興味なかったもん」


あたしは勝ち誇ったような笑顔を浮かべる彼女に、スラッとそう述べた。
すると彼女の表情は見る見るうちに赤く染まり、そして怒ったような表情になった。

感情のすべてが手に取るようにわかる子だ。
「興味ないなんて、よく言えたわね。トップアイドルなのよ？」
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