双子アイドルは俺様暴走族!
☆☆☆

しかし、嵐が去ったと思ったのはただの思い過ごしだったらしい。
会場になっている体育館へ行く途中でトイレに入ったあたし。
美少女情報では【ツインズ】はとてもバスケが上手らしい。

それなら試合はどんどん勝ち進み、あたしはずっと応援をしなければいいけなくなる。
と、いうことを考えてトイレに入ったのだが……。

やられた……。
ビショビショになった自分の制服を見下ろし、あたしは軽くため息を吐き出した。
個室に入ってパンツを脱いでよっこらしょと座った矢先、頭上から降るハズのない豪雨がふった。

おまけに「調子のんなよブス!」という声まで浴びせられてしまった。
あいにく、その声はあたしの胸に突き刺さることはなかったけれど、制服は完全に使い物にからなくなってしまった。

あたしはゆっくりと足を組み、首をかしげロダンの【考える人】のポーズをとった。
もうすぐ球技大会は始まってしまう。
時間的に言えばもう体育館へと行くべきだ。
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