双子アイドルは俺様暴走族！

「もしこの賭けを呑まないなら、俺は全力でカヤちゃんを奪いに行くよ？」
圭がニヤリと怪しい笑みを浮かべる。
「どういう意味だ……」

「さぁね？　俺、好きになった子はメチャクチャに傷つけたくなる時があるんだ。もしかしたらカヤちゃんにも一生残らない傷ができちゃうかもね？」
「……面白い事言いやがる。俺が勝たらカヤから手を引け。それでいいな
？」
「もちろんだよ、兄さん」

圭が欲しいのはカヤじゃない、黒猫だ。
勝っても負けても、黒猫と引き換えにカヤから手を引くつもりなのかもしれない。
でも、今はこいつの言うとおりにしておく方安全だ。

俺はそう思い、手早く着替えを済ませたのだった。