双子アイドルは俺様暴走族!
「ねぇ、学校中で噂ってなんで?」
あたしは試合に視線をやりながら、彼に話しかけた。
「【ツインズ】の付き人はたいてい一週間以内に辞めてしまうからだよ。君はもうずっと頑張っているんだろう?」
あぁ、そう言う事か。
今まで遊びで女の子に付き人をさせていた晴たち。
女の子に飽きたらすぐに切り捨てていたんだ。
「あたしは、付き人としての仕事を果たしているだけだよ」
「それがすごいって噂だよ? 【ツインズ】を前にして自分を飾ることもせず、ただ黙々という事をきくだけの子って、珍しいから」
そう言い、彼は笑った。
最初は親切な人だと思ったけれど、少し嫌みな言い方をされたのであたしはそれには返事をしなかった。
ジッとコートの中の晴と圭を見つめる。
2人は確かにバスケットが上手だった。
ど素人のあたしから見ても、2人に全く無駄な動きがなく、最小限の動きだけで得点を稼いでいるのがわかった。
しかも、チームの得点のほとんどを2人だけで稼いでいる。
他のメンバーたちも頑張ってはいるけれど、2人のスピードにつけていけていない感じだ。
と、その時だった。