双子アイドルは俺様暴走族!
晴がシュートを決めようと少しジャンプしたところへ、圭が体当たりをしてきたのだ。
え……?
あたしはその光景を唖然として見つめる。
晴はバランスを崩し、その場に横倒しになる。

圭は晴の手から離れたボールを奪い、そしてゴールへと入れたのだ。

「ねぇ、今の、どういうこと?」
あたしは隣に立っている彼に話しかける。

彼は軽く首をひねり「シュートしようとしているのが見えていなかったのかな?」と、呟くように返事をした。
シュートしようとするのが見えていなかった?

そんなことあるハズがない。

なぜだか、嫌な予感が胸をよぎった。
晴はさっきこけたせいで足首をひねってしまったらしく、痛そうに顔をゆがめてやっと立ち上がった。
「晴! 大丈夫!?」

あたしは思わずそう声を上げる。
すると晴はチラリとこちらを見て、平気だ。というように軽く右手をあげて見せた。

その反応に少しはホッとしたあたしだが、晴の動きはさっきまでとは明らかに違う。
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