双子アイドルは俺様暴走族!
ちょうど心地よくなる温度に思わずホワッと力が抜けそうになった。
って、それじゃダメじゃん!!
あたしは慌てて自我を取り戻し、その手を振りほどいた。

「あ、あああああたし、彼氏いますから!!」
そうよ!
いくらこのイケメン君がイケメンだからって手をつなぐ事なんて許されない。
だってあたしにはハジメがいるんだから。
あたしはイケメン君を威嚇するように睨みつける。

「はぁ?」
するとイケメン君は目を丸くし、あたしを見つめた。
み、見つめられたって全然揺らがないんだから!!

心臓をドキドキさせながらも、意思だけは強く持つ。
「彼氏以外の人と手をつなぐなんて、できません! お断りです!!」

そう言って突っぱねるあたし。
イケメン君はしばらくの間その場に棒立ちになり、ポカンと口を開けている。
「まじかよ……お前、まさか俺の事を知らな……」
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