双子アイドルは俺様暴走族!

☆☆☆

以外な展開で幕を閉じたあたしたちの喧嘩だったけれど、着替えの体操着を教室へと取りに戻った時は、さすがにクラス内がざわめいた。
あたしとリーサが同じように泥まみれなのだから、注目されても仕方がない。

「おい、カヤ!!」
晴が泥まみれのあたしに駆け寄ってくる。
「あはは、泥パックしちゃった」
そう言い、ペロッと舌を出す。

晴はあたしとリーサを交互に見つめる。
あたしはその手をそっと握った。
「あたしはもう大丈夫だから。リーサも、もう反省したから」

「……そうなのか?」
「うん」
いきなり2クラスも下げられたんじゃぁ、あたしにかまっている暇だってなくなるだろう。

「さて、保健室で着替えてくるね。バスケ部のシャワールームも借りなきゃ」
わざと明るく言い、あたしは体操着を手に取った。

「それなら俺がシャワールームのカギを借りてきてやる。先に行って待ってろ」
晴にそう言われ、あたしは素直に頷いたのだった。
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