双子アイドルは俺様暴走族!
「こ、ここでは無理! 学校だし保健室だし!!」
焦ってそんなことまで口走ってしまい、慌てて両手で口をふさぐ。
「へぇ? じゃぁここじゃなかったらいいわけ?」

意地悪な晴があたしの口走った言葉を無視してくれるハズもない。
「そ、そういうワケじゃなくて……」

「行こう、実はもう車を手配してあるんだ」
そう言い、あたしの手を引く晴。
「い、行くってどこへ?」
「俺の家。どうせこの足じゃ午後からの授業は早退だったんだ」

「へ!?」
じゃぁなんで保健室で寝る理由があったの?

と、考えてようやくまんまとハメられたことに気がついた。
晴のやつ、あたしが保健室へ飛んでいくのを見越してわざと待っていたんだ!!
ってことは、寝たふりしていたな!!

どこまでの用意周到な晴に、あたしは戦う気力さえ失っていく。
校門にベッタリと横づけされた車。

その車の前にキチンと立ってあたしたちを待っている丸本ジィジ。
「お待ちしておりました。それでは帰りましょうか」
< 339 / 340 >

この作品をシェア

pagetop