双子アイドルは俺様暴走族!
それを知っている手なれた女ばかり。
でも、カヤは違う。
天然ですっとボケで、自分が可愛いだなんて米粒ほどにも思っていない。

面白い女……。
「俺の服、クリーニングに出しても汚れが取れなかったんだ」
「は、はい。それはもう電話で……」

「ブランド物ってことも、知っているよな?」
「は……はい……」
カヤの口元がヒクヒクと痙攣している。
悪い予感がしてたまらないんだろう。

「でも、俺たちはお前に金は求めない」
「はい……」
カヤの表情が一気に緩んだ。
思ったことがすべて顔に出ている。
わかりやすいやつだ。
「ただし!」

「は、はいぃ!?」
俺が少し大きな声を出すと、今度は目を潤ませて身を縮めた。
「しばらくの期間、俺たちの付き人をしてもらう」
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