双子アイドルは俺様暴走族!
「付き人……ですか……?」
何度も瞬きをして俺と圭を交互に見つめる。
「そうだ。それでチャラだ。いい話だろ?」

「【ツインズ】といえば今をトキメクアイドルだよ。その付き人なんて、女の子たちがお金を払ってでもやりたがる」
圭が俺に続いてそう言った。
「そ、そうなんですか……?」
カヤは困ったようにオロオロしはじめてしまった。
普通なら泣いて喜ぶ場面なのに、カヤは困っている。

それがまた面白くて、俺はズイッとカヤの顔に自分の顔を近づけた。
「やるか、やらないか、決めろ」
「そ……んな……あたし、弁償するようなお金もないし……」

「じゃぁ、決まりだな?」

そう尋ねるとカヤはあうあうと金魚のように口をパクパクさせ、そしてうなだれた。
「わかりました……やります付き人……」

「決まりだな」
俺と圭はニヤリと笑い、ハイタッチしたのだった。
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