双子アイドルは俺様暴走族!
と、あたしは心の中で思う。
そんな事をうっかり口にしてしまうと、あたしはユズちゃんに半殺しにされるだろうから絶対に言わないけれど。

「もしかしてカヤも【ツインズ】のファンなの?」
「やめてよ。あんな顔がいいだけの双子なんて絶対に好きにならない」
ケッと吐き捨てるように言うと、ユズちゃんの表情が一変した。

今まで【ツインズ】のBlu-rayでご機嫌だったのに、今は眉を吊り上げてこちらを睨み付けている。
あ、やばい。
つい本音が口をついて出てしまった。
「じゃ、じゃぁあたしは着替えでもしようかな」

あたしは恐怖にひきつった笑顔を浮かべリビングを出ようとする。
しかし、ユズちゃんはそんなか弱いあたしの首根っこを掴んで引き止めた。
ユズちゃんはそのままあたしをズルズルと引きずり、あたしの体をソファへと投げた。

「痛っ!!」
ドンッと堅いソファに身を打ち付けられて顔をゆがめる。
っていうか、そんな怪力一体どこから出てくるのよ。
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