双子アイドルは俺様暴走族!
あたしは小さく呟く。
だからみんなあたしをジロジロとみていたの?
あたしのこのやつれた体を見て心配していたんじゃなかったの?

「……いじめ」
ポツリと呟く。
これはきっとあたしをイジメようという合図なんだ。

クラスみんなであたしの机を運びだし、これから毎日毎日陰湿なイジメを受けることになるんだ。
そしてそのイジメはどんどんエスカレートしていき、先生にさえ見捨てられたあたしは……!!

「あぁぁぁ!! なんてかわいそうなのあたし!! 自殺だけは、自殺だけは止めてあげてよぉぉ!!」
脳内ですっかり悲劇のヒロインと化しているあたしに、友人が「違うから」と、とても冷静に突っ込んだ。
「だって、だって、あたしの机がないじゃない!」

「今日カヤちゃんは転校するんでしょ?」
「へ……?」
友人の言葉にポカンとするあたし。
転校?

いつ?
誰が?
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