双子アイドルは俺様暴走族!
「ちょっと先生、イジメですよ!!」
この時間に入ってくる人間といえば先生しかいないと思い、あたしは思いっきり大きな声でそう言った。
しかし……。
教室に入ってきたのは黒いスーツを来た白髪の見慣れない男性だった。

「あ、人違いですごめんなさい」
「いいえ、合っていますよ松井カヤ様。お迎えに上がりました」
「ほへ!?」
いきなり名前を呼ばれあたしは目をパチクリさせる。

「今日からカヤ様には秋原高校へ通っていただきます。その、お迎えに上がりました」
その男はそう言い、紳士的にほほ笑んだ。

ちょ、ちょっと待って。
これは一体どういう事でしょうか。
転校、するの?
あたしが!!?
「秋原高校って芸能人がたくさん通ってるっていう学校だよね!? カヤちゃんすごぉい!」

隣で友人が手を叩いて喜んでいる。
たしかに秋原高校は芸能人育成の高校として有名だ。
でも、それで喜んでいる場合じゃないんですよ!!
「ちょっと、話が全然見えてきませんけど……」
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