双子アイドルは俺様暴走族!
転校
しつこく追いかけてくるクラスメイトたちを引き離し校外へと出ると、黒くて大きな車が校門の前に止めてあった。
「この車でございます」

「まじで……」
運転手付きの大きな車に一瞬ひるむが、後ろから追ってくる生徒たちの声に押されるようにしてあたしは車へと乗り込んだ。

車の座席は広く、足元にも広い空間がありそこに細長いテーブルが設置されている。
さっきの紳士が前の席に座ると、運転手に向かって「出してくれ」と、合図を送った。

車はほとんど音をたてず、揺れも感じない。
これ……リムジンってやつかな?
さすが【ツインズ】格が違うというか、やることが大胆で強引だ。

しかし広くてフカフカの座席に座っていると昨日からの疲れが一気に押し寄せてきて、眠たくなってきた。
こんな得体のしれない車に乗って、しかも寝てしまうなんて。

ハジメにバレたら怒られちゃうな……。
そう思いながらも、睡魔には勝てずあたしの意識は遠のいて行ったのだった。
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