双子アイドルは俺様暴走族!
「っていうか、あたしが転校したのってあんたたちのせいでしょ!?」
思い出したようにそう言うあたしに、2人はキョトンとした表情を浮かべる。
「そうだけど、今さら?」

晴がそういいプッと噴き出す。
「怒るの遅くない? カヤちゃん」
圭もおかしそうに笑う。

「だ、だって……なんだか馴染じゃったんだもん」
「馴染んだなら問題ない」
晴はそう言い、2つ目のパンに手を伸ばす。

あたしはその手をパンッと叩いた。
「なにするんだよ、痛じゃねぇか」
「問題なくない! 転校のことなんてあたし聞いてなかったし、勝手にこんなことしたらうちの両親がなんて言うかわかんないよ!?」

いくらおっとりしている両親でも、きっと激怒するに違いない。
大事な娘を付き人にされて転校までさせられたんだから。
この双子の傲慢さを知れば、ユズちゃんだってきっと怒ってくれるはずだ。
「ところでカヤ」

「なによ」
あたしは強気で晴を見る。
「今朝のご飯はうまかったか?」
「今朝のご飯? 時間がなくて食べてないわよ」
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