双子アイドルは俺様暴走族!
そうだよね!? 
あたし、なにも悪くないよね!?
あまりにも周囲があたしの考えがおかしいという態度をとるものだから、麻痺しかけていた。
危ない危ない。

《それより、大丈夫か? あいつらに何もされてないか?》

「うん……大丈夫……」
《そっか、よかった。なにかあればすぐに俺に連絡しろよ?》
「ありがとう、ハジメ」
ハジメの優しさに胸がキュンッと悲鳴を上げる。
ハジメが常識人で本当によかった!!

それなのにうちの親ときたら、別れろだなんて失礼しちゃう!
《あぁ。彼氏なんだから当然だろ?》
「あはは。大好きだよハジメ」

あたしたちは砂を噛むような甘い言葉を何度か連呼し、それから電話を切った。
「……よし! 頑張るか!!」
たった1人、あたしの事を本気で心配してくれているハジメのおかげで、俄然やる気の出たあたしはグッとペンを握りしめたのだった。
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