双子アイドルは俺様暴走族！

「あぁ。平野たちの机を拭くように指示されたんだろ？」
「よく知っていますね」
あたしたちは門をくぐり校内へと続く玄関を開けてもらい、中へと入る。
うわぁ、誰もいない。

ガラッとした校内はドラム缶の中のように声が響く。
2人分の足音もやけに大きく響いて、あたしは少しだけ楽しくなった。
「なにニヤニヤしてんだよ、一般人」
「松井です。松井カヤ。一般人にもね、名前くらいあるんです！」

声が響くのがおもろくて、あたしはわざと大きな声を出す。
「わかった、わかった。ほら、教室のカギ開けてやったからさっさと仕事を始めろ」
「どうも、ありがとうございます！」
あたしはチンピラ先生に向かってビシッと敬礼すると、さっそく掃除用具入れに向かった。

掃除道具入れを開けると綺麗に整理整頓された掃除道具が現れる。
「うわ、すっげぇ」

普通の学校ではホウキにチリトリだけれど、この学校には掃除機が各教室に完備させているみたいだ。
しかも今すごく人気の１０万円以上する掃除機だ。
「うわぁすごーい。実物初めて見た！　これ持って帰ったらお母さん喜ぶだろうなぁ」