アリス人形
「ぅわ〜ん!猫がこわいよぉ〜!!うわ〜ん!!!!」

泣きじゃくるハリネズミに、容赦なくチェシャ猫が胸ぐらをつかむ。

「エサがビービー五月蝿いねぇ。」

小さな体が宙に浮き、バタバタと足を動かすハリネズミ。

「うわ〜ん!!闇を持ったボク達の気持ちなんて分からないくせに〜!!!!」

「言うねぇ。この状況で。まあ、自覚があっただけ凄いと誉めてあげるよぉ。」

チェシャ猫は目を細め、にやつくのをやめると、勢いよくハリネズミを窓へ放り投げた。

──ガシャーン!

ハリネズミは窓を割り、外にとばされた。
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