アリス人形
「さて、…どうしよっかな。」

亜里珠はしばらく天を仰いだ後、腰に手を当て、大きく息を吸った。

「森、お願い!帽子屋に会わせて!!」

――ザワワ…

亜里珠の叫びを、森は快く受け入れてくれたようだ。茂みから帽子屋が姿を現した。

「やっと見つけたぞ、この野郎!」

「帽子屋さ〜ん!!」

「のぁ!!」

亜里珠は嬉しさのあまり、帽子屋に抱きついた。

「疑ってごめんね!」

「もう気にしてねぇよ。つか、離れろ!」

「あ、ごめん…。」

亜里珠は素直に離れた。顔を赤くした帽子屋がふっと笑う。

「アリスは謝ってばっかだな。」

「えへへ…。」
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