アリス人形
ニセガメは渋々砂浜に地図らしきものを書き始めた。
「この森をたどると、バラの迷路があるっピ。」
「バラの迷路?…それ、本当か?」
帽子屋は、ニセガメを疑い深く睨み付け、説明に割って入る。
「って、言ったら"はい、そうです"って言えるか?」
「「…え?」」
帽子屋の不思議な発言に、ニセガメと一緒に亜里珠も首を傾げた。
「い、言えるっピ、よ…?」
「……そうか。わりぃ、続けてくれ。」
「…わかったっピ。で、迷路を、右、左、右、右、左、右、左の順に曲がった突き当たりに芋虫がいるっピ。」
「え?右、左、…え?」
亜里珠が困惑ている中、帽子屋は再び、あの不思議な発言をする。
「今の、全部本当か?」
「って聞いたら"はい、そうです"って言えるよな?」
さすがのニセガメも限界がきたらしく、ふるふる身体を奮わせながらも立ち上がり、怒りに声を上げた。
「もう…!いい加減にしろっピ!!そんなの言えるわけがないっピよ!」
「…!」
ニセガメの返事に亜里珠は驚いた。ニセガメも自分の発言にハッと口を押さえ、目を丸くしている。
「じゃ、左、右、左、左、右、左、右か。」
帽子屋は、地図を見ながら冷静に呟く。その時、ニセガメが小さく舌打ちしたのが耳に入り、亜里珠はゾッとした。
「サンキュー。じゃ、行くぞ、アリス。」
「う…うん。じゃあね、ニセガメ。」
少し砂浜を歩き、亜里珠は何だか背筋がムズムズする感覚に襲われた。ふと振り返る。
「──っ!」
「この森をたどると、バラの迷路があるっピ。」
「バラの迷路?…それ、本当か?」
帽子屋は、ニセガメを疑い深く睨み付け、説明に割って入る。
「って、言ったら"はい、そうです"って言えるか?」
「「…え?」」
帽子屋の不思議な発言に、ニセガメと一緒に亜里珠も首を傾げた。
「い、言えるっピ、よ…?」
「……そうか。わりぃ、続けてくれ。」
「…わかったっピ。で、迷路を、右、左、右、右、左、右、左の順に曲がった突き当たりに芋虫がいるっピ。」
「え?右、左、…え?」
亜里珠が困惑ている中、帽子屋は再び、あの不思議な発言をする。
「今の、全部本当か?」
「って聞いたら"はい、そうです"って言えるよな?」
さすがのニセガメも限界がきたらしく、ふるふる身体を奮わせながらも立ち上がり、怒りに声を上げた。
「もう…!いい加減にしろっピ!!そんなの言えるわけがないっピよ!」
「…!」
ニセガメの返事に亜里珠は驚いた。ニセガメも自分の発言にハッと口を押さえ、目を丸くしている。
「じゃ、左、右、左、左、右、左、右か。」
帽子屋は、地図を見ながら冷静に呟く。その時、ニセガメが小さく舌打ちしたのが耳に入り、亜里珠はゾッとした。
「サンキュー。じゃ、行くぞ、アリス。」
「う…うん。じゃあね、ニセガメ。」
少し砂浜を歩き、亜里珠は何だか背筋がムズムズする感覚に襲われた。ふと振り返る。
「──っ!」