アリス人形
「知らね!寝る!」

「えぇぇ!もしかして野宿!?」

帽子屋はすでに瞳を閉じている。どうやら話題を変えるのは失敗だったらしい。

「当たり前だろ。」

亜里珠は渋々帽子屋の隣に座った。

「まさか、会って数日しか経たない男子と一緒に一夜を過ごす事になるなんて…。」

「変な言い方をするなー!」

帽子屋はガバリと上半身を起こし、声を上げた。
そして、その声は広い海に虚しく轟き、波に呑まれ消えた。

「あは…ごめん。」

「だぁー…眠気覚めちまったじゃねーかよー。」

そう言いつつも、2人は力なく砂浜に寝そべった。空には無数の星屑。

「わー、宇宙旅行気分♪」

「宇宙旅行、ねぇ…。」

「…亜里香。」

「……。」





やがて、2人は深い眠りにおちていった。
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