アリス人形
「アリス!」

「や!………ぁ。」

目を開けると、心配そうな帽子屋の顔があった。

「うなされてたぞ。大丈夫か?」

「…うん。」

亜里珠は、ひどく頭痛がすると頭を抱えながら起き上がった。

「あ、そうそう…寝る前に思いついたんだけどね。」

頭をトントンと叩きながら亜里珠は顔を上げた。

「ん?」

「森に入って私が森にお願いすればバラ園まで行けるんじゃない、かなぁ?なぁんちゃって。」

タイミングよく、空でカラスがカーカーと鳴いた。

「…それ、もう少し早く言ってほしかった。」

「うん。ごめん。」
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