アリス人形
「で、芋虫はどこ?」

アリスの冷たい言葉に、バラ達は無言で一本の道を造った。

「うん、ありがとう。さ、帽子屋行くよ。」

「お、おう!」

完璧にリードをこされた帽子屋は、慌ててアリスの後をついていった。

「早くアリカを助けなくちゃね。」

「…そうだな。」

道に咲くバラ達は、アリスが怖いのだろう。花を閉ざし、葉に身をひそめている。

「ふはっ!僕を怒らせなければ散らずに済んだのに!馬鹿なバラ達。」

「……なあ、」
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