アリス人形
たちまち、帽子屋の口からため息が漏れた。

「だって久々の身体だし♪黄色人ってのがちょっとあれだけど…まあ、黒人よりはマシか。」

「ああそうかよ。」

「ふふっ。でも、この子可愛いよねぇ。どんな闇を隠してるんだろう?」

「……。急ぐぞ。」

早足になった帽子屋に押され、アリスはにやりとにやつきながらもそれに従った。

「気に入ってるんだね、この子のこと。」

「……。」

「あの子に似てるの?」

「…いや、全然。」

やがて、赤いバラが青く移り変わり、2人は、とある広い場所にたどり着いた。
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