アリス人形
「アリス、ですね?」

再び、声が聞こえた。
今度は、若い青年の声だ。

「…誰?」

そして、亜里珠は目を疑うことになる。

「僕はシロウサギと申します。以後、お見知りおきを。」

そう言って、ひょこっと出てきた声の主に、亜里珠は絶句した。声の主は、紛れもないペットのパルスだったのだ。

二本足でよたよたと立ち上がったパルスは、ペコリとお辞儀をした。

「え、は?パ、パルスが…しゃべった!?」

亜里珠の言葉に、パルスはムッと顔をしかめた…ように見えた。
< 13 / 163 >

この作品をシェア

pagetop