アリス人形
そこには、エプロンドレスを着た…自分の姿。

窓の外を覗いてみたが、人影などなかった。

「違うわ、アリス。私は外じゃないわ。」

声は笑う。もっと近く、もっと遠くに私はいるのだと。

亜里珠は顔を窓から遠ざけ、首を傾げた。


そして、ある異変に気が付いた。
窓に映っている自分は、首を傾げずに、笑っていたのだ。

「初めまして、アリス。私は鏡の国の住人、人馬よ。」

「じ…んば?」
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