アリス人形
亜里珠はただただ走り続けた。
そして息が上がり始めたとき、1匹と1人は、大きな赤い城の前にたどり着いた。
城門には、赤い軍服を着た人間が3人立っている。
「あの人たちは?」
「トランプ兵です。あれは、ハートの3・5・7ですね。」
(トランプ兵?あ、よかった…肌の色は普通みたい。)
ホッとする亜里珠を横に、シロウサギはやや不安気味。
「いいですか、アリス。僕がついてますが…女王にはくれぐれもご注意下さい。」
「わ、わかった。」
長い階段を登り、トランプ兵の姿がはっきりと見えてきた。ハートをモチーフにした刺繍、帽子にはそれぞれ、3・5・7の数字がある。
「お勤めご苦労様です。では、入門書の前にまず、正装をお願いします。」
ハートの3が敬礼をし、ボードをシロウサギに差し出した。
「やれやれ…。」
シロウサギはめんどくさそうに何故か高く高くジャンプした。
そして、亜里珠は見た。
高く跳ね上がったシロウサギの小さな体が、風船の様に膨れ上がったのを。
「うえぇっ!!!?」
思わず声を上げたときだった。
――パンッ
高々と鳴る破裂音。散るシロウサギの毛はまるで赤い牡丹雪。
亜里珠は開いた口がふさがらないでいた。
そして息が上がり始めたとき、1匹と1人は、大きな赤い城の前にたどり着いた。
城門には、赤い軍服を着た人間が3人立っている。
「あの人たちは?」
「トランプ兵です。あれは、ハートの3・5・7ですね。」
(トランプ兵?あ、よかった…肌の色は普通みたい。)
ホッとする亜里珠を横に、シロウサギはやや不安気味。
「いいですか、アリス。僕がついてますが…女王にはくれぐれもご注意下さい。」
「わ、わかった。」
長い階段を登り、トランプ兵の姿がはっきりと見えてきた。ハートをモチーフにした刺繍、帽子にはそれぞれ、3・5・7の数字がある。
「お勤めご苦労様です。では、入門書の前にまず、正装をお願いします。」
ハートの3が敬礼をし、ボードをシロウサギに差し出した。
「やれやれ…。」
シロウサギはめんどくさそうに何故か高く高くジャンプした。
そして、亜里珠は見た。
高く跳ね上がったシロウサギの小さな体が、風船の様に膨れ上がったのを。
「うえぇっ!!!?」
思わず声を上げたときだった。
――パンッ
高々と鳴る破裂音。散るシロウサギの毛はまるで赤い牡丹雪。
亜里珠は開いた口がふさがらないでいた。