アリス人形
城内は、なんとも可愛らしいデザインだった。

長時間“赤”を見続けていたせいか、亜里珠の目は疲れ、赤と反対色の緑がチカチカと視界を邪魔し始めていた。

「ゔぅ…。」

目を押さえ、唸る亜里珠にシロウサギは心配そうに囁いた。

「アリス、もう少しの辛抱ですから。」

「…ん。黄色い国よりマシだと考える。」

亜里珠は分かりずらい冗談を言い笑ってみせるが、大分つらそうだった。

長い廊下の先は、無駄に広い大広間だった。
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