アリス人形
「アリス、ミー達のお茶会、エンジョイしてるかい?」

突如、三日月ウサギに話し掛けられ、アリスはふと我に返った。

「え…あ、うん!とっても楽しいよ!」

「本当か?」

帽子屋は頬杖でだるそうに問い詰めてきた。アリスは満面の笑みで答える。

「本当だよ、帽子屋さん。」

アリスは、ついさっきの“声”が気になった。誰だか知っているはずなのだが、それを思い出せないでいた。

「アリス…クッ…ィ…ちょぅ……。」

眠りネズミがアリスの裾を引っ張っり、小声で何かをボソリと呟いた。

「クッキー…?はい。」

アリスは和かい笑みを浮かべ、クッキーを渡した。

(タノシイナァ。)

お茶会が始まってから、もう2日経っていることにアリスは気付いていなかった。
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