アリス人形
――ガタンッ

冷や汗が頬を伝い、アリスは勢いよく立ち上がった。

「チェシャ猫を捜さ「ノー…行かせないよ。」

アリスの言葉を遮るように、三日月ウサギはややキツい口調で言い放った。

「三日月…!」

帽子屋が慌てた様子で間にわって入ってきた。その横顔は蒼白している。

「ユーはここで“アリス”として生きるのだよ。」

三日月ウサギのその表情は狂気と化していた。

「永遠にね…。」
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