アリス人形
「ハッ!…帽子屋、さん?」
亜里珠はまず、帽子屋が心配そうに自分の手を握っている事に驚いた。
目を見開く亜里珠の様子をみて、帽子屋は口を開いた。
「おい、妹助けるんだって?」
亜里珠は、あ!と声を上げ、
「早く亜里香を連れて帰らなくちゃ!つか、え、ここ何処!!」
と、困惑しだした。そして、シロウサギの姿を見つけるなり、口調がキツくなった。
「あ、シロウサギ!探したんだよ!」
その亜里珠の急変ぶりに帽子屋はホッと胸を撫で下ろしたのだが、シロウサギとカナリヤはついていけないようだった。
「あれ?その子は?」
亜里珠はカナリヤを見た。カナリヤは状況をうまく飲み込んだらしく、
「カナリヤです!」
と、笑顔でお辞儀した。
「何も…おぼえていないのですか?」
シロウサギの言葉に亜里珠はしばし考えた。
「なんでだろ…チェシャ猫が助けに来てくれたとこまではギリギリ覚えているんだけれど…。」
「やはり黒ウサギの仕業かもねぇ。」
悩む亜里珠にチェシャ猫が口を挟む。亜里珠の眉間に微かにしわがよった。
亜里珠はまず、帽子屋が心配そうに自分の手を握っている事に驚いた。
目を見開く亜里珠の様子をみて、帽子屋は口を開いた。
「おい、妹助けるんだって?」
亜里珠は、あ!と声を上げ、
「早く亜里香を連れて帰らなくちゃ!つか、え、ここ何処!!」
と、困惑しだした。そして、シロウサギの姿を見つけるなり、口調がキツくなった。
「あ、シロウサギ!探したんだよ!」
その亜里珠の急変ぶりに帽子屋はホッと胸を撫で下ろしたのだが、シロウサギとカナリヤはついていけないようだった。
「あれ?その子は?」
亜里珠はカナリヤを見た。カナリヤは状況をうまく飲み込んだらしく、
「カナリヤです!」
と、笑顔でお辞儀した。
「何も…おぼえていないのですか?」
シロウサギの言葉に亜里珠はしばし考えた。
「なんでだろ…チェシャ猫が助けに来てくれたとこまではギリギリ覚えているんだけれど…。」
「やはり黒ウサギの仕業かもねぇ。」
悩む亜里珠にチェシャ猫が口を挟む。亜里珠の眉間に微かにしわがよった。