アリス人形
「いんやぁ?それはないねぇ。この変態ネズミ。」

ハリネズミの真後ろには、いつの間にかチェシャ猫が立っていた。

「それ以上アリスに手を出したら、喰うよぉ?」

そう言いながらにやつくチェシャ猫に、ハリネズミは蒼白した。

「いつから人間に変化出来るまで力を…。」

「チェシャをなめないでもらいたいねぇ。あんたみたいな脇役の脇役とは違うんだよぉ。」

チェシャ猫は、あのモノクロのトゲの塊を羽織ってみせ、さらににやついた。

「さて問題ぃ。チェシャにトゲを盗られたハリネズミは何ネズミになるでしょうかぁ?」

「なっ!」

楽しそうににやにやし続けるチェシャ猫。

横たわるアリスは目覚める気配がない。
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