語彙力ゼロなアドレナリン女子は、ダウナーなイケボ男子をおとしたい
 その後、翡翠は圧倒的な集中力で入試を突破し、翌年には希望の大学に入学する。そのときには、私のお腹には赤ちゃんがいるというめちゃくちゃな状況だ。
 とはいえ、藍や橙花さんが手伝ってくれるという翡翠の実家のバックアップを受けて、新婚生活を堪能していた。

 一方で私たちの結婚生活には割とハードな面もある。私は翡翠とただラブラブしたいだけだったのに、翡翠の大学に高校の同級生・峰時真がいた。

 私が翡翠と結婚したことを知り、なぜか言い寄ってくるようになるのだ。アドレナリン系女子は苦手でも、人妻と言うのは彼の好みらしい。

 とはいっても、彼は腰かけ学生だったから、すぐに学校をやめて親の会社を継いだようだ。どうやら、結婚しなければならない事情になったから、急遽会社を継いだらしい。

 その後も、サロンの出資を盾に迫ってくるとか、上手い話をしてくるとかで、当時は私も、話に乗ってしまったけれど、後に痛い思いをした。

 翡翠いわく、「朱那は正統なバックアップがあるのに蹴る。怪しい道を選ぶし、わざと苦労買ってるよな」らしい。
 でも、経験は血肉になるのでOKだと思っている。
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