語彙力ゼロなアドレナリン女子は、ダウナーなイケボ男子をおとしたい
 私たちのところにやって来てくれた可愛い可愛い天使は、翡翠の人生に衝撃を与えたらしい。

「天使っていたんだな」と言う。
 こっちが恥ずかしくなるくらい、愛の伝道師になってしまった翡翠は、天使にメッセージを大量に残したようだ。

 私にももうちょっと愛してるって言って欲しい、と言ったら、愛してる週間が始まり、私の方が音をあげた。

「愛してるよ、朱那」
 と甘く囁かれると、何も出来なくなってしまう。

 脳髄まで痺れるほどのいい声なので、行動不能になる。非常に困ってしまうのだった。

 翡翠には、少しくらい素っ気なくされている方がちょうどいいみたいだ。
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