財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。



「大きくて立派な池ですね」

「ほ、本当ですね」


 私は料理を食べ終えて御子柴さんと、座敷から出て庭園を散歩していた。だけど、二人きりでドキドキしっぱなしだ。

 廊下から見ても大きな池だなと思ったけど実際近くに行くともっと大きかった。それに近くには小さな滝があり、小さいけど滝の音とひんやりした空気がとても落ち着く雰囲気だ。それに、所々にあるライトアップが綺麗だ。


「今日は月が綺麗だね、満月だ」

「本当ですね、綺麗です……」

「そうだ、愛百合さん。お腹空きません? どこかお店を変えて食べに行きませんか?」


 確かにお腹は空いてる。さっきは緊張して食べられなかったし、こんなこと言えないけどぺこぺこだ。
 だから断る理由もないので私は、頷くと御子柴さんは嬉しそうに「じゃあ、行こう」と言いエスコートされるまま料亭を出た。

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