財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。
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料亭を出ると、料亭前には御子柴さん専用なのか車が停まっていた。車に乗ると御子柴さんは、お店の名前を告げるとすぐ出発する。
料亭から三十分ほどで到着する。そこは、ビルの前に到着した。ここがお店……?
「ここの地下に店があるんだよ。怪しい店ではないから安心して」
「は、はい」
「では行こうか」
ビルに入り、エレベーターに乗って地下へと向かう。エレベーターから降りると、ビルの中とは思えないほど大人の隠れ家のような場所だった。
「いらっしゃいませ……あ、御子柴さん!」
「今日もお疲れ様。入っていい?」
「もちろんです。どうぞー」
御子柴さんにエスコートされながら私は奥にある個室へと向かった。個室は、タブレット端末で注文らしく御子柴さんは私に嫌いなものないかを聞きパパッと注文してくださった。
「慣れてるんですね、御子柴さん」
「あぁ、まぁね。俺がここに投資していて、経営面でサポートしているんだ。だからよく来たりする」
「そうなんですね……すごいです」
私には全く縁がなさそうな世界だ。