財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。



「俺は、菓子メーカーの社長をしているが今、レストランや居酒屋関連の事業にも力を入れている」

「すごいですね、やっぱり」

「そんなことはないよ。御子柴グループはいろいろな事業があり大きくて旧財閥家だが、それだけではこれから先成り立たない。これからは元からあるものをより良くして発展させたいと思っているんだ」


 御子柴さんは、とても楽しそうにいろいろ話をしてくれてお仕事が好きなんだなぁと分かる。もっと堅い感じかと思ったけどそんなことはなかった。


「……あ、すまない。ペラペラと話をしてしまった」

「いえ。とても興味深いです。お仕事、お好きなんだなと素直に思って」

「そうか……少し舞い上がっていた。恋焦がれたあなたに会えたから」 

「……っ……」


 そんなことを初めて言われて言葉が出なかった。体温が上昇するかのように熱り始める。何を言えば分からず俯いていると料理が運ばれて来て、それは串焼きと呼ばれるものだ。

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