財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。
「はい、お待たせ。じゃあ食べようか」
「はい。ではいただきます」
手を合わせて箸を持って蕎麦を二、三本掴み麺つゆにつけた。それを啜ると本格的な蕎麦だとわかる。麺つゆも香りがいい。
御子紫さん、すごい……
「美味しい?」
「はいっ、とても美味しいです。こんな蕎麦初めてです……御子紫さんはすごいですね。こんな美味しい蕎麦作れて」
「喜んでもらえたならよかったよ。嬉しい。今日、初めて人に作ったんだ。だからドキドキしたんだけど、愛百合さんが喜んでくれて笑ってくれてよかった」
「本当に美味しいからです……ふふ、本当に美味しいです、御子紫さん」
蕎麦は美味しすぎてペロリと食べてしまった。それから一緒に片付けをして、休憩で紅茶とお菓子を食べることになりソファに並んで座る。