財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。



「本当に美味しそう〜味噌汁も八丁味噌だし、俺好きなんだよね」

「葵さんが買ってきてくださったお味噌です。最初は慣れなかったですけど、とても美味しいのでお気に入りです」

「だよねぇ……いただきます」


 葵さんは手を合わせると、まず味噌汁に口をつけた。すると「今日もお出汁がいい。美味しい」と言って、鮭や卵焼き、糠漬けにも感想を言ってペロリと食べてしまった。


「はぁ〜美味しかった。今日もありがとう」

「お粗末様でした。これお弁当です」


 弁当袋を渡すと「ありがと」と言い、受け取ってくれた。葵さんは一度部屋に戻り、スーツを着て戻ってきた。玄関まで見送ると「そうだ」と、何かを思い出したように話し始める。

< 24 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop