財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。
「愛百合ちゃん、次の休みお出かけに行こう」
「はい、そうですね。行きたいです」
「じゃあ、日曜日に行こうか、暑くなってきたし半袖でも見に行こう」
半袖……確かに暑いけど、でも、半袖はダメだ。
「半袖はいいです。要りません……長袖が好きなので」
「でも、暑いでしょ? 遠慮しないでいいんだよ」
「私はいいです。大丈夫です……すみません、せっかくですけど」
私はそこで話を切ると「いってらっしゃいませ」と言った。すると彼は靴を履き「行ってきます」と言い出ていった。