財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。



 私を身籠ったことで使用人を退職したが、とても恨んでいた。そんな相手の娘が目の前に現れたのだ恨みは憎しみに変わり、私を殴るようになった。そんな中出来た背中から腕の痕、最近はなかったので古い傷だが目立っている。腕も痣と一度、ナイフで傷つけられた痕が今も残っている。

 そんな汚い傷跡を彼に見せるようなことはしたくない。結婚したら見せなくてはいけないけど、ギリギリまでは見せられない。

 見せたことにより、この結婚が破談になってしまったら私はどうなるかわからない。父も知らないことだから破談になってしまったら、ただ責められるか追い出されるだろう。優斗さんも知らないので責めるに決まっている。


「だけど、どうにかしなくてはいけないよね。このままじゃ結婚まで保たない……」


 私はそう呟きながら、どうにか傷が消える方法がないか調べることにした。



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