財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。
「そうだ、社長。頼まれてたこと調査終わりましたよ」
秘書は封筒を取り出すと机に置いた。
「……ありがとう」
「いえ。婚約者さんが、あの家から出たおかげでたくさん出てきました。面白いくらいに……と弟が言ってました」
「本当に優秀な探偵さんだな、うん。さすが、老舗」
この秘書の実家は、御子柴家の専属の探偵一族だ。跡をとるのは秘書の弟だが、俺が頼むときは秘密裏でやってくれている。