財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。


 それから座って時間が来るのを待っていると、ドアのノック音が聞こえて入って来たのはお見合いの日ぶりの葵さんのお父様だった。


「久しぶりだね、愛百合さん」


 私は立ち上がってお辞儀をしようとすると阻止された。


「辞儀なんてしなくてもいい。もうすぐ家族になるんだから」

「……ありがとうございます」

「着物も綺麗だね、素敵だ……まぁ、私の妻には敵わないが」


 お父様の後ろから出てきたのは、綺麗で雰囲気が優しさで溢れてる葵さんに似ている女性だった。きっと、葵さんのお母様だ。

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