財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。
「妻の碧だ」
「初めまして、貴女が愛百合さんね。碧と申します」
……綺麗な人は、声も綺麗なのか。
「はい、初めまして。愛百合といいます」
「ふふ、葵から色々聞いているわ。可愛らしいお方だと。本当に可愛らしいわね……愛百合さん、葵って大変でしょ。大変よね」
そう碧さんは言うと私の手を取り引っ張ると「御子紫の男は重いから気をつけたほうがいいわよ、ほんっーとに気をつけて」とコソッと言った。よくわからなかったけど私は頷いた。