財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。

　私は葵さんと中に進むと葵さんは手を取り手の甲にキスを落とした。


「……っ……」

「ねぇ、キスしていい？　もう我慢できない。俺、愛百合とキスしたくてたまらない」

「……えっ……――んんっ」


　聞いてすぐ、私が返事をする前に再び唇を重ねられ軽くリップ音が聞こえる短いキスだったのが角度が変えられて深く長いキスに変わっていった。
　少しずつ息が出来なくなり、彼の胸を叩いた。するとすぐに、唇が離れた。


「……口、少しだけ開けて」

「えっ、あの……どうして」

「ん？　もっとキスしたいんだ」


　そう言って葵さんは、私の後頭部に触れ逃さないというように捕まえられる。
　唇から彼の舌が割り入れば、舌と舌が絡み合いむさぼるような激しくキスを交わす。互いの吐息が私を初めての快感に誘った。